2009年06月14日
クワ、ログワ(Morus alba)
それはクワの実から始まった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AF
落葉性の高木で、大きいものは15mに達するが、普段見かけるのは数m程度のものが多い。樹皮は灰色を帯びる。葉は薄く、つやのある黄緑色で、縁にはあらい鋸歯がある。大きい木では、葉の形はハート形に近い楕円形だが、若い木では、葉にあらい切れ込みが入る場合がある。
雌雄異株だが、同株のものがある。春に開花する。雄花は茎の先端から房状に垂れ下がり、雌花は枝の基部の方につく。果実は初夏に熟す。キイチゴのような、柔らかい粒が集まった形で、やや長くなる。熟すと赤黒くなり、甘くて美味しい。
主な種類 [編集]
ログワ(ロソウ)(M. lhou)
ヤマグワ(M. bombycis)
カラヤマグワ(M. alba)
クロミグワ(M. nigra)
テンジクグワ(M. serrata)
ナガミグワ(M. laevigata)
ケグワ(M. tiliaefolia)
オガサワラグワ(M. boninensis)
登録品種としてポップベリー、ララベリーがある。
日本の養蚕では一之瀬という品種が普及した。この品種は、明治31年ごろ旧上野村川浦(現在の山梨県市川三郷町)で一瀬益吉が、中巨摩郡旧忍村(現在の中央市田富町)の桑苗業者から購入した桑苗(品種鼠返し)のうちから、本来の鼠返しとは異った性状良好なる個体を発見し、これを原苗とした。
生薬 [編集]
ログワの根皮は桑白皮(そうはくひ)という生薬である。(日本薬局方による)
利尿、血圧降下、血糖降下作用、解熱、鎮咳などの作用があり、五虎湯(ごことう)、清肺湯(せいはいとう)などの漢方方剤に使われる。
また、葉を茶の代用品とする「桑茶」が飲まれていた地域もあり、現在も市販されている。桑葉には1-デオキシノジリマイシン(1-deoxynojirimycin; DNJ)が含まれていることが近年の研究で明らかになった。DNJ はブドウ糖の類似物質(アザ糖類の一種)であり、小腸において糖分解酵素のα-グルコシダーゼに結合する事でその活性を阻害する。その結果、スクロースやマルトースの分解効率が低下し、血糖値の上昇が抑制される。
果実 [編集]
果実は桑の実、マルベリーと呼ばれ、地方によっては桑酒として果実酒の原料となる。その果実は甘酸っぱく、美味であり、高い抗酸化作用で知られる色素・アントシアニンをはじめとする、ポリフェノールを多く含有する。 キイチゴの実を細長くしたような姿で、赤黒くなる。蛾の幼虫が好み、その体毛が抜け落ちて付着するので食する際には十分な水洗いを行う必要がある。 また、非常食として桑の実を乾燥させた粉末を食べたり、水に晒した成熟前の実をご飯に炊き込む事も行われてきた。
なお、クワの果実はキイチゴのような粒の集まった形を表す語としても用いられる。発生学では動物の初期胚に桑実胚、藻類にクワノミモ(パンドリナ)などの例がある。
養蚕とクワ [編集]
地図記号にもなったほど、日本で桑畑は良くある風景であった。しかし、現在、養蚕業が盛んだった地域では、生産者の高齢化、後継者難、生糸産業全般の衰退の中で、放置された桑畑も多く残る。クワの木は成長が早く、大きく育つが、幹の中が空洞である。養蚕業盛んなりし頃は、定期的に剪定等の手入れが行われていたクワ畑であるが、樹木としての利用は前述の様に、幹の中が空洞であるが故に、養蚕以外でのこれといって有益な、あるいは利益の高い利用法が無い。放置された結果として、現在、森の様になっている畑も多い。しかも、こうなってしまった以上、前述の様に高齢化した管理者にとっては、これを整理することを物理的に更に難しくしている。毛虫がつきやすい樹種でもある為、憂慮すべきことである。
他方、近年、クワの実が郷愁を呼ぶ果物として、注目を浴びてきてもいる。
ちなみに蚕が食べるのはヤマグワである。
木材としてのクワ [編集]
クワの木質はかなり硬く、磨くと深い黄色を呈して美しいので、しばしば工芸用に使われる。しかし、銘木として使われる良材は極めて少ない。特に良材とされるのが、伊豆諸島の御蔵島や三宅島で産出される「島桑」であり、緻密な年輪と美しい木目と粘りのあることで知られる。江戸時代から江戸指物に重用され、老人に贈る杖の素材として用いられた。国産材の中では最高級材に属する。
また古くから弦楽器の材料として珍重された。正倉院にはクワ製の楽琵琶や阮咸が保存されており、薩摩琵琶や筑前琵琶もクワ製のものが良いとされる。三味線もクワで作られることがあり、特に小唄では音色が柔らかいとして愛用されたが、広い会場には向かないとされる。
なお、幕末には桑の樹皮より綿を作る製法を江戸幕府に届け出たものがおり、1861年(文久元年)には幕府からこれを奨励する命令が出されているが、普及しなかったようである。
人間とのかかわり [編集]
養蚕発症の地、中国においてはクワは聖なる木だった。山海経において10個の太陽が昇ってくる扶桑という神木があったが、羿(げい)という射手が9個を射抜き昇る太陽の数は1個にしたため、天が安らぎ、地も喜んだと書き残されている。太陽の運行に関わり、世界樹的な役目を担っていた。詩経においてもクワはたびたび題材となり、クワ摘みにおいて男女のおおらかな恋が歌われた。
日本においてもクワは霊力があるとみなされ、特に前述の薬効を備えていたことからカイコとともに普及した。古代日本ではクワは箸や杖という形で中風を防ぐとされ、鎌倉時代喫茶養生記においては「桑は是れ又仙薬の上首」ともてはやされている。
桑原、桑原 [編集]
雷よけの呪いとして広く使われた言葉であるが、最も知られている由来は桑原村の井戸に雷が落ち、蓋をしたところ雷が「もう桑原に落ちないから逃がしてくれ」と約束したためという説[1]があり、これにはクワ自体は関わりがない。しかし、諸説の中には宮崎県福島村でクワの上に雷が落ち、雷がケガをしたので落ちないようになったという説、沖縄県では雷がクワのまたに挟まれて消えたため雷鳴の折には「桑木のまた」と唱えるようになった[2]という説もある。
ことわざ [編集]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AF
落葉性の高木で、大きいものは15mに達するが、普段見かけるのは数m程度のものが多い。樹皮は灰色を帯びる。葉は薄く、つやのある黄緑色で、縁にはあらい鋸歯がある。大きい木では、葉の形はハート形に近い楕円形だが、若い木では、葉にあらい切れ込みが入る場合がある。
雌雄異株だが、同株のものがある。春に開花する。雄花は茎の先端から房状に垂れ下がり、雌花は枝の基部の方につく。果実は初夏に熟す。キイチゴのような、柔らかい粒が集まった形で、やや長くなる。熟すと赤黒くなり、甘くて美味しい。
主な種類 [編集]
ログワ(ロソウ)(M. lhou)
ヤマグワ(M. bombycis)
カラヤマグワ(M. alba)
クロミグワ(M. nigra)
テンジクグワ(M. serrata)
ナガミグワ(M. laevigata)
ケグワ(M. tiliaefolia)
オガサワラグワ(M. boninensis)
登録品種としてポップベリー、ララベリーがある。
日本の養蚕では一之瀬という品種が普及した。この品種は、明治31年ごろ旧上野村川浦(現在の山梨県市川三郷町)で一瀬益吉が、中巨摩郡旧忍村(現在の中央市田富町)の桑苗業者から購入した桑苗(品種鼠返し)のうちから、本来の鼠返しとは異った性状良好なる個体を発見し、これを原苗とした。
生薬 [編集]
ログワの根皮は桑白皮(そうはくひ)という生薬である。(日本薬局方による)
利尿、血圧降下、血糖降下作用、解熱、鎮咳などの作用があり、五虎湯(ごことう)、清肺湯(せいはいとう)などの漢方方剤に使われる。
また、葉を茶の代用品とする「桑茶」が飲まれていた地域もあり、現在も市販されている。桑葉には1-デオキシノジリマイシン(1-deoxynojirimycin; DNJ)が含まれていることが近年の研究で明らかになった。DNJ はブドウ糖の類似物質(アザ糖類の一種)であり、小腸において糖分解酵素のα-グルコシダーゼに結合する事でその活性を阻害する。その結果、スクロースやマルトースの分解効率が低下し、血糖値の上昇が抑制される。
果実 [編集]
果実は桑の実、マルベリーと呼ばれ、地方によっては桑酒として果実酒の原料となる。その果実は甘酸っぱく、美味であり、高い抗酸化作用で知られる色素・アントシアニンをはじめとする、ポリフェノールを多く含有する。 キイチゴの実を細長くしたような姿で、赤黒くなる。蛾の幼虫が好み、その体毛が抜け落ちて付着するので食する際には十分な水洗いを行う必要がある。 また、非常食として桑の実を乾燥させた粉末を食べたり、水に晒した成熟前の実をご飯に炊き込む事も行われてきた。
なお、クワの果実はキイチゴのような粒の集まった形を表す語としても用いられる。発生学では動物の初期胚に桑実胚、藻類にクワノミモ(パンドリナ)などの例がある。
養蚕とクワ [編集]
地図記号にもなったほど、日本で桑畑は良くある風景であった。しかし、現在、養蚕業が盛んだった地域では、生産者の高齢化、後継者難、生糸産業全般の衰退の中で、放置された桑畑も多く残る。クワの木は成長が早く、大きく育つが、幹の中が空洞である。養蚕業盛んなりし頃は、定期的に剪定等の手入れが行われていたクワ畑であるが、樹木としての利用は前述の様に、幹の中が空洞であるが故に、養蚕以外でのこれといって有益な、あるいは利益の高い利用法が無い。放置された結果として、現在、森の様になっている畑も多い。しかも、こうなってしまった以上、前述の様に高齢化した管理者にとっては、これを整理することを物理的に更に難しくしている。毛虫がつきやすい樹種でもある為、憂慮すべきことである。
他方、近年、クワの実が郷愁を呼ぶ果物として、注目を浴びてきてもいる。
ちなみに蚕が食べるのはヤマグワである。
木材としてのクワ [編集]
クワの木質はかなり硬く、磨くと深い黄色を呈して美しいので、しばしば工芸用に使われる。しかし、銘木として使われる良材は極めて少ない。特に良材とされるのが、伊豆諸島の御蔵島や三宅島で産出される「島桑」であり、緻密な年輪と美しい木目と粘りのあることで知られる。江戸時代から江戸指物に重用され、老人に贈る杖の素材として用いられた。国産材の中では最高級材に属する。
また古くから弦楽器の材料として珍重された。正倉院にはクワ製の楽琵琶や阮咸が保存されており、薩摩琵琶や筑前琵琶もクワ製のものが良いとされる。三味線もクワで作られることがあり、特に小唄では音色が柔らかいとして愛用されたが、広い会場には向かないとされる。
なお、幕末には桑の樹皮より綿を作る製法を江戸幕府に届け出たものがおり、1861年(文久元年)には幕府からこれを奨励する命令が出されているが、普及しなかったようである。
人間とのかかわり [編集]
養蚕発症の地、中国においてはクワは聖なる木だった。山海経において10個の太陽が昇ってくる扶桑という神木があったが、羿(げい)という射手が9個を射抜き昇る太陽の数は1個にしたため、天が安らぎ、地も喜んだと書き残されている。太陽の運行に関わり、世界樹的な役目を担っていた。詩経においてもクワはたびたび題材となり、クワ摘みにおいて男女のおおらかな恋が歌われた。
日本においてもクワは霊力があるとみなされ、特に前述の薬効を備えていたことからカイコとともに普及した。古代日本ではクワは箸や杖という形で中風を防ぐとされ、鎌倉時代喫茶養生記においては「桑は是れ又仙薬の上首」ともてはやされている。
桑原、桑原 [編集]
雷よけの呪いとして広く使われた言葉であるが、最も知られている由来は桑原村の井戸に雷が落ち、蓋をしたところ雷が「もう桑原に落ちないから逃がしてくれ」と約束したためという説[1]があり、これにはクワ自体は関わりがない。しかし、諸説の中には宮崎県福島村でクワの上に雷が落ち、雷がケガをしたので落ちないようになったという説、沖縄県では雷がクワのまたに挟まれて消えたため雷鳴の折には「桑木のまた」と唱えるようになった[2]という説もある。
ことわざ [編集]
Posted by こくぶん at 06:00│Comments(0)
│環境(Eco)